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- 私的日本百景〜向ヶ丘遊園跡地〜
- 2008.05.09 Friday | - | posted by 稀刊誌きばみ |
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近所には二つの遊園地があった。
一つはよみうりランドで、もう一つは向ヶ丘遊園。両方とも子供の頃はよく遊びに出かけた。
よみうりランドの方が、次々と新しい絶叫マシーンを導入したりと、何かと刺激的ではあったが、向ヶ丘遊園に行くことの方が多かった。
何故なら、新聞屋さんがくれるのが、向ヶ丘遊園のチケットだったから。
向ヶ丘は向ヶ丘で、よみうりランドにはない魅力があった。入場ゲートから丘の上の遊園地へと続く大階段は、さながら宝塚歌劇の様であったし、その階段の脇にはスキー場にあるようなリフトがあり、子供としては、これで上まで行くのが楽しみでしかたがなかった。
園内は季節ごとにフラワーショーが開催されたり、湖の周りを走る小さな汽車があったり、その湖でスワンボートに乗ったりと、刺激的なよみうりランドに対して、メルヘンチックな向ヶ丘遊園といった感じであったと思う。
忘れてならない向ヶ丘遊園の特徴としては、小田急線の駅から遊園地入り口まで、モノレールが走っていたことであろう。
歩いても10分かからない程度の距離なので、必要ないと言えば必要ないのかもしれないが、このモノレールこそ、子供達をお伽の国へと誘う重要な役割を果たしていた様に思う。モノレールといっても昭和の代物。現在のゆりかもめなどでは味わえぬ、重量感たっぷりの音と乗り心地であった。車内にはいつも、口笛のメロディーが流れ、子供達をメルヘンな気持ちにさせていた。
モノレールを下り、ゲートから入場すると右手に、小さな、今で言うところのショッピング・モールがあった。ここでは玩具やお土産などを売っていた。
向ヶ丘遊園で好きな乗り物といえば、ボブスターという名の小型ジェットコースターだった。もちろん宙返りなどはないが、小型ならではの細かい軌道が楽しかった。
乗り物ではないが、なぜかやらなければ気が済まなかったのが、輪投げだ。大きな丸いテーブルの上には、子供が目移りしそうな商品が並び、それらを狙って何度も挑戦した。
狙っていた貯金箱に輪がかかったときは、本当に嬉しかったが、その後持ち帰った貯金箱を使った覚えはない。
自分が数年前にカナダに住んでいたときに、その向ヶ丘遊園の閉鎖のニュースを聞いた。
平日はガラガラだったし、経営難であることは想像できたが、たくさんの思い出がある場所だけに、とても淋しかった。
現在その跡地は残っているものの、封鎖されていて関係者以外は入ることが出来ない。
柵の隙間から覗いて見ると、虹のペイントの所々剥げた大階段と、鬱蒼と伸び放題の草木が見え、戻ることの出来ない子供の頃の郷愁に駆られた。
文=Dr.K
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